書籍『毒親を反面教師に、幸せな家庭をつくる』先行オンライン公開版(無料版)
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【本書をお読みいただく前に】
著者は、社会貢献事業として運営する「毒親ラボ」で、みずからの被害体験に基づき、いわゆる「毒親」の分析・考察・情報発信しています。
著者自身が、約50年にわたり実の親との関係の中で悩み、試行錯誤してきた被害体験を土台にしています。
また、「毒親ラボ」での情報発信や本書の出版は、毒親をさらして非難するためのものではなく、児童虐待の予防・人権啓発などに加え、家庭という閉じた世界で親を暴走させてしまう状況を、オープンにして暴走をある程度は抑止できれば、親が少しでも良き親としていてもらえる、そんな思いがあってのことです。
児童虐待防止・家庭内での人権啓発と人権救済の啓発などに努めてきた知見や観点と、家庭内の人権・多様性・個性の尊重、家庭での心理的安全性、家族関係の再構築、そして、著者の子へと続く次の世代に、より良い家庭を手渡すために、著者なりの考え方をまとめたものです。
本書の出版目的は、特定の親を断罪することでも、親子の絶縁や同居継続など、何らかの選択を画一的に勧めることでもありません。
「毒親」という名称は、医学上の診断名でも法律上の正式な呼称などでもありません。
本書では、子の人格・人権・自律性を軽視し、親による子のへ支配・虐待・過度な干渉・条件付きの愛情・繰り返される人格否定や各種虐待などを通じて、子の心身や人生に大きな負の影響を及ぼす親や養育者について、親子関係や家族関係の再構築を考えるための、便宜的な言葉として「毒親」という名称を用いておこうと思っています。
誰かを簡単にレッテル貼りするより、具体的な言動と、その結果として何が起きているかを見ることを通じて、物事を見つめ直すきっかけづくりができれば幸いです。
また、精神疾患やパーソナリティ上の特性などについては、本人を診察した専門家以外が断定できるものではありません。
家族の言動が極端に見えるときも、素人判断で病名を決めつけるのではなく、合理的配慮など人権上の必要な対応は病状等がある場合に備えて心づもりしておきながら、必要に応じて、医師やカウンセラーなどの専門家につなげるようにしつつ、自分の安全も守れるようにしておければ良いかと思われます。
もちろん、毒親自身が、精神疾患やパーソナリティ症などではないと言い張って、毒親自身の心の幸せを願って受診を促しても、逆に、虐待を受けている子の方が悪者扱いされるケースも少なからずあろうかと思われます。
医療保護入院などの必要な重大な局面でもなければ、人権上も法令上も、強制的に毒親を受診させるわけにもいかず、毒親自身の心のケアが至らぬことで、子への負の影響が長引く恐れもあります。
しかし、毒親とて一定の人権のある存在です。
また、毒親は、必ずしも、四六時中、しかめ面をしているとか悪態をつき続けるとは限らず、時に、笑顔になったり、時に、機嫌が良かったりもします。
子としては、そんなひと時に、淡い期待として、親は良い人で子を思って厳しい(というか激しかったり虐待だったりするかもしれませんが…)のだ、と、言い聞かせて心を寄せたくなりがちです。
ただ、家庭内での配偶者によるDV・暴力も、似たような面があり、暴力の後にやさしさを見せるような場合、相手が離れないように「やさしさ」という姿に化けた「足かせ」をはめつつ、暴力はやめない、という状況もあったりしそうです。
毒親に長年の呪いのようにかけられるよくある言葉で、「あなたのためを思って」「あなたの幸せのために」といったことは、ある種、子を奴隷化して復讐心をぶつける「足かせ」かも…。
そのような場合は、悩ましくも強制的な対応は難しく、共生的にともに歩むしかないケースや、心身の距離をとって、お互いに少しでもプラスになる道を選ばざるを得ない面もあろうかと思われます。
生命・身体の安全に危険がある場合、虐待やDVが疑われる場合、強い自傷・希死念慮や深刻な心身の不調がある場合などは、本書だけで抱え込まず、警察・救急・児童相談所・自治体・医療機関・学校・弁護士・地域の支援団体など、状況に応じた相談窓口に、なるべくお早めにご連絡・ご相談下さいませ。
本書は医療・法律・福祉その他の専門サービスの代替ではありません。
◆ 「人を責めず問題を解決する」ために、親も子も同じ人権ある人間同士として、少しでも安全に、少しでも幸せに生きられる道を探す。それが本書の基本姿勢です。福祉介護施設や病院などでも発生したりする、高齢者虐待・患者虐待があってはならないことなのと同様に、家庭内でも、高齢者虐待も児童虐待も配偶者によるDVなども、あってはならないことです。どちらも、高齢だからいいかどうかや、子だからいいかどうかなどではなく、年齢・性別などに関わらず、同じ人権ある人間同士のお話しとしてお届けしております。
【この本の読み方】
この本は、最初から順に読んで頂いても、また、いま必要な章から読んでも構いません。
いま危険な状況の中にいる方は、まず、警察への通報などが優先ですが、余裕があれば、第5章「毒親災害を減災する」と、巻末の安全確保の考え方へ進んで頂くと良いかもしれません。
怒りや罪悪感や復讐心で心がいっぱいの方は、第6章と第7章から読んで頂いても良いかもしれません。
子育て中の方や、これから家庭を築こうとしている方には、第9章~第12章あたりから読み進めて頂くのも良さそうです。
いまの状況から読むなら
・身の危険や強い威圧がある方:第5章と巻末付録8を先に読み、安全確保と相談を優先して頂ければと思います。
・罪悪感や怒りで消耗している方:第6章・第7章・第8章から、回復と距離の取り方を確認してみて下さい。
・「自分も毒親かもしれない」と感じた方:第9章から第12章へ進み、関係修復・子育て・家庭づくりの具体策を見てみて下さい。
・経験をこれからの人生や仕事に生かしたい方:第13章・第14章と終章から読んでみて頂くのも良いかと思われます。
もし、読んでいて苦しくなったり、つらくなったりするようでしたら、いったん本書を閉じてください。
回復のための本が、読者を追い詰めるものであってはなりません。
読み進めるかどうかや、読む速さや、考える深さなども、すべて、自分のご判断とご自身のペースで大丈夫を大切にして下さい。
◆ 目標は「親を完全に理解すること」ではありません。「自分の人生を、自分の手に少しずつ戻すこと」です。
本書を貫く3つの観点・転換
本書では、毒親問題を「誰が悪いか」を決めるだけの話にせず、3つの観点や転換をもとにお話しをお届けします。
第一は「支配から境界線を引いた関係へ」。
第二は「復讐心から脱して負の連鎖の遮断へ」。
第三は「過去に奪われた人生から、これから自分で育む人生へ」
といったことです。
この3つは、親と距離を取る場合にも、関係修復を試みる場合にも、そして自分が親として次の世代と向き合う場合にも共通すると思われます。
読みながら迷ったときには、「これは私の安全を高めるか」「負の連鎖を弱めるか(可能なら、負の連鎖を断ち切れるか)」「自分らしい人生を育てる方向か」という3つの問いに戻ってみて下さい。
◆ 本書のゴールは、親子関係の勝ち負けや優劣や絶対的な終焉などではありません。自分と家族が、より安全に、より人間らしく生きられる状態を増やすことです。
【目次】
- 【はじめに】 「毒親」を語る目的は、誰かを裁くことではなく、自分の人生を取り戻すこと
- 【第1章】 「毒親」とは何か——レッテル貼りより、子に起きていることを見る
- 【第2章】 見えにくい家庭内の人権侵害——虐待・機能不全・条件付き愛情
- 【第3章】 私の50年と「毒親ラボ」——自分を実験台にしながら、自分の人生の研究者になる
- 【第4章】 家庭内の権力と人権——親も子も奴隷ではない
- 【第5章】 「毒親災害」を減災する——避難する・相談する・線引きする
- 【第6章】 傷ついた心を守り、少しずつ癒す——安心に慣れる練習
- 【第7章】 怒りや復讐から脱出する——「毒親再生産ループ」を断つ
- 【第8章】 近づき過ぎない優しさ——ニュートラルと「ハリネズミ」の距離感
- 【第9章】 「自分も毒親かも」と気づいたら——今日から関係を修復する
- 【第10章】 反面教師として「良き親」になる——子の成功体験づくりを支える
- 【第11章】 良き親子関係を育む——対話・境界線・自律
- 【第12章】 良き夫婦・家庭関係を育てる——家庭を「心の安全基地」にする
- 【第13章】 家庭の問題を社会の知恵に変える——人権・心理的安全性・ガバナンス
- 【第14章】 マイナスをプラスへ——「荒地のトマト」と「砂漠のオアシス」
- 【終章】 「安心して自分でいられる家庭」をバトンタッチ
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【巻末付録】
①毒親と向き合う7つのポイント
②「毒親災害」減災プラン
③心の安全基地セルフチェックリスト
④「自分も毒親?」と思った親の振り返りチェックリスト
⑤境界線を伝えるための対話フレーズ
⑥7日間「自分の人生を取り戻す」ミニプログラム
⑦家族の「心の安全基地」対話シート
⑧安全確保と相談の考え方



