がんとメンタル不調の闘病記


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大腸がん・メンタル不調の「おうち入院」スマホ手記 ~39歳で大腸がんになった看護師の妻を支える一児の夫の家族目線の闘病記~

執筆・「おうち入院」の「院長」: 日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 「がんと心のリゾート」執事 戸村智憲

「おうち入院」および「がんと心のリゾート」などは(C)戸村智憲です。


【最愛の妻で39歳にして大腸がん罹患と健康が自慢だった妻がショックでメンタル不調に陥った弊社の非常勤理事・看護師・元 都立大学非常勤講師(看護教員)の妻・一児の母: 戸村妃美(とむら きみ)について】

(2025年(令和7年)7月1日時点)

 宮崎県出身・東京都在住。宮崎県の看護学校を卒業し上京して看護師として病院勤務。産婦人科やオペ室などの最前線でナースとして活動。

 東日本大震災の翌年、絆を大切に生きることの大切さが改めて身に染みていた頃、たまたま同じ災害対策関連で縁のあった戸村智憲と出会い結婚。

 ふたりとも同じ時期に海外旅行先で結婚式の風景を目にして、結婚の美しさ・共に生きる絆の大切さをふたりとも意識していた頃で、出会って2回目のゴルフデートで、お互いに幸せになりあえるよう一緒に生きていこうと横浜赤レンガ倉庫の海の前でプロポーズを受けた。

 結婚後、1児の母としてPTA活動や、都立大学の非常勤講師(看護教員)として勤務など、仕事と家庭の両立に取り組む。

 2020年のコロナ渦中に一念発起して、4年生大学に編入学して女子大生となった。

 健康自慢で順風満帆と思われたものの、依然としてコロナ渦中にあった2022年4月に39歳にして検査で大腸がんが発覚。

 ショックでメンタル不調もありながらも、翌5月に手術は成功し退院。

 そこから「おうち入院」((C)戸村智憲)として、心身ともに自宅療養につとめ、療養しながら大学を卒業(学士)。

 まる3年間、ごくごく限られた遠くに住む友人と家族以外に、がんになってまわりの元気な人を見て人生に負けた気持ちがして、自己肯定感がどん底に沈み込み、がん罹患・手術などのお話しができずに過ごす。

 術後・退院後まる3年たった2025年5月に、念願の宮崎県の実家に帰省ができるところまで回復を重ねてきた。

 がん罹患を通して、人生は勝ち負けや優劣ではなく、自分を好きになる(BTS的にはLove Yourself)・自分らしさを大切にする・自分が好きで愛することを積極的に取り組む、といった、心をオープンにしてあるがままの自分を受け入れて生きることの大切さを実感。

 完全寛解と心身の予防的ケアに向け、また、社会復帰での仕事と心身の療養の両立を目指し、一般的な職場よりスムーズで柔軟な仕事の仕方を模索。

 2025年7月1日より日本マネジメント総合研究所合同会社の非常勤役員(非常勤理事)として、夫婦ともにがん予防や心身の健康や家族・社会での大切な取り組みなどについて、「がんと心のリゾート」活動として講演・執筆などを行うこととなった。

「おうち入院」スマホ手記の時系列での「がん闘病・メンタルヘルス療養のあるがまま」

【はじめに】

 2020年からの世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが続く中、2022年4月に妻が大腸内視鏡検査でハッキリとわかるがん発見。

 緊急に大学病院を紹介頂いて発見後2週間で入院・手術へと段取りができたものの、がんのショックでメンタル不調にて、あとインフォームドコンセントの場で目の前の書類にサインすれば手術実施というところで、妻のメンタル不調で同意書にサインに至らず同大学病院内の精神科病棟へお引越し。

 希死念慮(いっそ死にたいという思い)や貧困妄想(お金があるのにお金がないと思い込んでしまう状態)などがあり、手続き上でやむなく一時的に閉鎖病棟での措置入院。

 精神科の病棟長で精神科の方の主治医の先生をはじめ、医師・看護師・スタッフのみなさまの多大なるお力添えで、急ピッチで手術を受けられるところまでメンタルの調子を巻き返して頂き、当初の手術予定日から3週間ほど遅れての手術にこぎつける。

 手術の遅れがあって心配していたものの、ステージは進行せずとどまってくれて、教授の執刀で腹腔鏡手術でキズもほぼ目立たず手術は成功。

 術後、また精神科病棟に戻り、消化器外科の教授が精神科病棟まで診察に来て頂くなど、イレギュラーながらもみなさまの温かいご高配にあずかり感謝感謝の入院生活。

 妻本人が精神科病棟は電話やメールやSNSでさわがしくなくてリラックスできる・閉鎖病棟ではすべてサポートしてもらえてお姫様のような状態だったというところから、だんだん病棟内でやれることが少なく退院したい意向が出てきてその旨の相談を私が受けた。

 そこで、退院してムリしないか・本人がちゃんとセーブして生活できるかなど、主治医の先生が心配しないよう、私が妻に「そろそろ退院して、『おうち入院』したいです。自宅で夫の付き添いサポートをしてもらって、自宅療養します」って聞いてみたら、とアドバイス。

 妻が精神科の主治医の先生にその旨お話しして、スムーズに退院へと移行し、その後は「おうち入院」として自宅で私が「院長」として、「お話しカウンセリング」や服薬サポートや育児・家事・仕事(仕事は究極までセーブ)などしながら、アップダウンもありながらもコツコツ過ごす。

 その際、たまたま家でカルテというか妻の状態をササっとスマホ1つで記載できないかなぁと、「おうち入院」の準備をしていた際に、アプリで「おうちカルテ」を発見し、息子を寝かしつけた後やちょっとした時間をみつけて、妻の「おうち入院カルテ」((C)戸村智憲)を作成したり、面会もままならぬコロナ渦中に妻のご両親にSMSでご報告したりしてきた。

 まる3年たった2025年5月に、妻がやっと宮崎県の実家に戻ったり、実家の近所の方・お友達などにお会いして、がんやメンタル不調の話題が出ても精神的にしんどくない状態となり、妻の実家へ家族付き添って帰省ができるようになった。

 妻が社会復帰の意思・希望が湧きつつも、一般の組織では仕事と心身の療養の両立がなかなか難しい面もあり、弊社にて非常勤理事として、妻の社会復帰でやりたいことでもあるがん体験のお話し・支援などを、なるべく柔軟に、夫として一緒にそばで妻の仕事もサポートしながら両立できると考え至った。

 そうして、妻の意思・希望を受け、妻の了承を得た上で、「おうち入院」の「カルテ」(SMSメッセージでご報告したことやご報告以外の記録など)を世に出すこととなった(妻がオープンにする気がなければ、おそらく、永遠に我が家というか私だけの記録として手元に残っていたことと思われる)。

 「おうち入院」スマホ手記は、メンタル不調などで妻自身が闘病をつづれなかったものの、がん患者・メンタル不調の妻を支える夫の視点で妻の闘病や家族側の様子をまとめたものである。

 なお、そのスマホに記してきた「おうち入院カルテ」には、本件以外で妻の親族のお悩み相談なども受けてきたり、妻に加えて妻の親族のサポートもしてきており、「電子カルテ」の原本から一部は割愛あるいは匿名加工などしていることを予めお断りしておく。

 また、妻が退院後に「おうち入院」するまでのお話しは、「おうち入院カルテ」に記載を始める前のことであるため、私(夫)が鮮明に蘇って浮かんでくる記憶を頼りに、この機にシンプルにまとめておくことにした。

「おうち入院」での「8つの薬」と「3つのアプローチ」

 「おうち入院」の「院長」として、また、夫・1児の父として、医療機関でなくともできることがあるし、逆に、メンタルヘルスのケアにおいては、病院・クリニック・カウンセリングルームより家庭の方がはるかに細かにじっくり時間をとってケアしやすいです面もある。

 私自身、国連の激務でうつ病を罹患して完全寛解し、継続的に予防的ケアを行ってきていることもあり、精神疾患の当事者の視点もあわせ、「おうち入院」では、次のようなことを心掛けるようにしてみた。

【「おうち入院」での「8つの薬」】

①「ことばぐすり」:
 1つ1つの声掛けや「お話しカウンセリング」((C)戸村智憲)での会話などで、ポジティブな言葉・軽々に励ますより寄り添い共感することばを妻と交し合うようにする

②「味方としての傾聴ぐすりと「伴走」膏」:
 ともに心身の寛解への方向を向き、頭ごなしに否定せず受け入れて寄り添う

③「信頼ぐすり」:
 妻にとって家庭が安心・信頼できる場・安全基地となるよう、約束したり言ったことは守ったりという、声掛けが空虚なものではなく温かく守られている状態になるようにする

④「あるがまま居場所ぐすり」:
 妻が横になっていても弱音を吐いても何もできなくても、妻のあるがままに過ごしていられる受け入れられる居場所づくりをする

⑤「役割ぐすりと感謝ぐすり」:
 出物・腫物を触るような対応は、当事者としてつらくなる面もあり得ますし、いきなり全部でなくても、ごく一部でも、妻がムリなくできるところから妻・1児の母としての役割を果たせるよう、役割を取り上げず少しずつ休みながらこなせるところはお任せし、妻のやってくれたことに感謝を示し、妻が家庭での居場所があることや家族として役に立った(家族にとって重荷でもなく邪魔者でもなく大切な一員)と感じてもらえるようにしてみる

⑥「啐啄同時(さいたく/そったく どうじ)な自立保護バランスぐすり」:
 タイミングを間違えると良い言葉・良い働きかけもマイナスに作用しかねないため、しっかり妻の様子をみて、耳に入るときにそっとかみくだいて妻の開腹に大切なことをお伝えし、共依存を避けて良き距離感を保って自立しながらも見守り寄り添い手を差し伸べつつ、介入すべきところはさりげなく介入していく

⑦「生活リズムと日にちぐすり」:
 妻なりに過ごしやすい生活リズムや過ごし方で良くて、妻にとって心地よく負担感が少なくて済む日常生活にしながら、がんも精神疾患も必ず良くなるので、見守り寄り添う側も一喜一憂せずあわてずじっくり休んでもらえる日数を重ねる

⑧「穏やかゆったりぐすり」:
 日常の何気ない刺激(音・におい・あわただしい作業・やらなければいけないと思う家事など)が心を乱すこともあり得るので、「ゆったり感」を大切に、「~でなければならない」は「できたらいいけど別に後回しでもいいよね」に転換したり、「入れた予定に合わせて心を奮い立たせる」(足し算)から「心の調子に合わせて予定を組む・延期する・中止する」(引き算)で、ある意味、飲み会などの「行けたら行く」の姿勢を心の負荷軽減の上で大切にしてみる


【「おうち入院」での「3つのアプローチ」】

①「ベクトル・ガードレール・アプローチ」((C)戸村智憲):
 どんな進み方でも構わないけど、がんも心も寛解へ向けた方向(ベクトル)を示しながら、妻のあるがままの進み方に寄り添いつつ、ここから越えてしまうと悪化したり良くない状態になってしまうところへ暴走しそうなときは「ガードレール」として、余計な部分のみ少しマシにしていけるように介入なり負荷軽減のために支援なり補助なりをする

②公平公正な多様性の尊重と受け入れあい:
 教え込む・説教する・怒るといったことは不要で、妻の個性・今の状態・多様性を、夫婦といえでも同じ命と人権を持つ者どうしで相手を尊重してあるがままを受け入れ、向き合ったり肩を並べて同じ方向にゆっくり歩いたりしながら、そっと、妻にとって良い方向に背中を押していけるようにする(夫として都合が良いかどうかは別として、あくまでも妻にとってより良く妻の意思・希望・内側から生まれる意欲を最大限に尊重できるようにしていく)

③家庭や夫婦での「サステイナブル」な「レジリエンス」対応:
 「サステイナブル」は環境保護だけの話ではなく、私独自の「5つのポイント」での読み解きとして、(1)ムリなく・(2)ムダなく・(3)長続きする・(4)理にかなって・(5)お互いに幸せになりあう取り組み、という観点から、妻も私もなるべくサステイナブルに過ごし、心身のダメージがあるような場合は、同じく私独自の「レジリエンス3つのポイント」として、(1)ダメージを最小限にする(ダメージコントロール: ダメージをゼロにできなくても少しでもマシな方向へ向かう)・(2)少しでも早めに元の状態に戻して行けるようにする(リカバリータイムの短縮)・(3)この先や次に同じようなことがあってもより良く対応できるよう備えを手厚くする、というスタンスを継続するようにする

「おうち入院」スマホ手記(「おうち入院カルテ」)

「おうち入院カルテ」は、ふと見ると、匿名加工などを施す前の時点で40万字を越えていましたので、一気に掲載に至らずにすみません。「おうち入院」前のカルテに記録の無いところも記して、順次、複数ページにわけながら時系列・日付なども含めてアップして参ります。


(注)「おうち入院」スマホ手記(「おうち入院カルテ」)をはじめとする当方からのがん啓発・メンタルヘルス啓発などの諸活動は、妻のがんと心の闘病時点でのものです。また、何か特定の医療やサービスを推奨したり保証したりするものなどではなく、みなさまが各自で自己責任にて公式の最新情報などもご勘案頂きながらご対応下さいませ。


(注)クレームに関しましては、下記の指定ウェブフォームのみにて、必ず、(1)対象事案、(2)「クレームの申し立て」、(3)ご返信・ご連絡がとれるメールアドレスと正式なご住所(建物名や部屋番号なども含めて略さずご記載下さい)・お電話番号を明記、(4)クレームの根拠および根拠法令等、の4点は最低限必須事項としてご記載・ご送信下さいませ。弊社の顧問弁護士(事案が簡易裁判所での取り扱い範囲の場合などでは簡裁代理権のある顧問司法書士等の場合もあり得ます)などにも相談の上で対応を検討致します(返信・対応等をお約束するものではございません。また、状況により、心苦しくも裁判所からの特別送達という形での返答・対応となる可能性もあり得ることを予めお知りおき下さい)。それ以外のご来訪・架電ご連絡・FAXご送信・郵送物等のご配送等でのクレームに関しましては、業務上の支障になりかねませんので、お承り致しかねますことを予めご了承下さいませ。 ・弊社指定のクレームに関するウェブフォーム: https://www.jmri.co.jp/contact.html


戸村妃美・智憲の講演メニュー等


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